Peter White interviewed by Yoshiki Sakai

July 24, 2006 - Robin Hood British Pub / Burbank Blvd. Sherman Oaks, CA

ピーター・ホワイト インタビュー / 2006年7月24日

Peter White Web と相互リンクをさせていただいている AquarianWave.com のウェブマスターである
酒井さんが2004年に引き続きピーター・ホワイトに二度目のインタビューをしております。
場所はBurbank Blvd. Sherman Oaks, CA のRobin Hood British Pub にて。
(C)2006 - AquarianWave.com


Yoshi
今日は、新作CD "Playin' Favorites" について、いろいろお聞きしたいと思ってます

Peter:
このCDのプロジェクトは、今から1年以上前からとりあえず始めたんです.
昔の録音で、1994年に出したCD "Reflections" の時の(未使用曲など)録音テープなどが残っていないか
探すことから始めました.
でもテープが見つからなかったのと、見つかってもうまく再生できなかったりして、結局、このCD "Playin' Favorites"の
曲はアレンジからもう一度やり直したんです.
今回、全曲アレンジと録音し直しをしてます.
録音は、Apple G4 Mac でソフトは、ProTools です.Mac には、M-Box をインターフェイスとして接続してます.
最初は、全部自分一人で録音までやってたんですが、Jazz Attack などライブツアーで忙しくなり、私のマネージャが、
この仕事のペースじゃこのCDの全曲録音がいつまでたっても終わらないと、たまりかねてプロデューサのPaul Brownに
頼んでいろいろな人に仕事をアサインして、なんとかこの6月リリースに間に合ったんです(笑)。

Yoshi:
そうですか.始めから Paul Brownプロデュースじゃなかったんですね.

Peter:
そう.最初はみんな私一人で自宅でやってた.(笑)
Richard Elliot フィーチャーの "You Are Everything" と、 Rick Braun フィーチャーの "One on One" の2曲は、それぞれ
Jazz Attack のライブツアー中、ライブ終了後の空になったステージを利用して、マイクロフォンを私の Mac のM-box に
大慌てで繋いで ProTools で Richard Elliot や Rick Braun のトラックをオーバーダブしたんです.
それ以外は、全部私の自宅スタジオ録音です.

Yoshi:
一昔前では考えられなかった、音楽制作方法ですね.昔だと、そういうティクはデモ用とか、限られた用途にしか
使われませんでしたけど、今は、それがそのままCD製品にできてしまう時代ですから.
フロリダのWest Palm Beach のライブ会場とのことですが、今回のCDジャケット写真、ずいぶんきれいですが、
どこで写真撮影されましたか?

Peter:
Key West です.あのジャケットの中の写真はフロントジャケット以外全部 Key West で撮影してます.
フロントジャケット写真は、自宅スタジオの前です.

Yoshi:
Key West でしたか.私は一回、家族を連れて行ったことがあります.きれいな所です.
CDの裏の写真はスクリーンセーバにできるのではと思ってしまいました.
ところで、今回のCDにはバート・バカラックの曲やディオンヌ・ワーウィックの "Deja Vu" などが含まれていて、
他の曲のアレンジといい、私の趣味と完全にマッチしていたのはびっくりしました.いくつかの曲は、
バカラック風のアレンジがされていますが、以前のCD "Reflections" にも"Walk On By" などバカラック・ナンバーが
含まれていて、以前から、このCDに限らずあなたの曲を聞いていると、この人バカラックの影響をかなり受けていると
思わせるフレージングをあちこちで見つけられるのですが、バート・バカラックに特別何かご興味ありますか?

Peter:
ええ、もちろんです.私、バカラックナンバーは大好きなんです.面白いですね.
バカラックの曲はメロディーラインが、時々とんでもない音程でジャンプしますよね.
あれ、面白いんですよ.(笑)
(口まねで、I Say A Little Prayer を歌い出す...)
なんというか、「裏切られる」楽しみがあります.(笑)
Yoshi, あなたバカラックファンなんだったら、私(Peter)より Dave Koz に聞いてみると良いよ.
Dave は、バートバカラックをよく知っているずです.

Yoshi:
前回のインタビューの時も似たような質問しましたけど、Peter, あなたの一連の曲は、とてもメロディーラインがきれいで
歌物にできるような曲がたくさんあり、特に Caravan of Dreams のCDは20万枚も売れて、これは、ジャズではなく
普通のポップスのCDでも最近はなかなか売れない枚数ですが、洗練された曲作りをしようとすると、普通のポップスの
曲でもジャズ(最近ではR&Bなど)のリズムやハーモニーを使って作曲することになり、バカラックの一連の曲はそういう
方法で作られてますよね.

Peter:
そうです.私は、自分で気に入った音楽を作っているだけで、他のジャンルの音楽に、ああこれは面白そうだ、
と思ったリズムパターンなどがあったら使わせてもらったり、ジャズはいつでも「ハイブリッド」なんです.
こっちは、音楽ジャンルがどうの..とか意識してるわけじゃないのに、バカラックの曲のように、フレージングや
ハーモニー(コード)に凝った曲をCDとして出すとラジオDJ達は、これはジャズの曲(?)と思って、勝手に
Smooth Jazz という名前で呼び始めたんです.音楽ジャンル名に Jazz が付いているので、他のいわゆる
トラディショナルなジャズの人たちから、Smooth Jazz はJazz じゃない..なんて言われているのはそのためです.

Yoshi:
そうですよね.私も90年代の始めにアメリカでFMラジオから流れている曲が、以前70年代ごろに日本でも聞かれたような
曲調で、ラジオのDJが Smooth Jazz と言っていたのでわかったのです.
日本では70年代前半ごろまでは、バカラックのような曲がラジオでもたくさん聞かれたのですよ.それで私は音楽に
興味持って作曲とか習ったのですが、その後、70年代後半から80年代にかけてカラオケが流行り出したり、80年代中期から
日本はバブルに入って、いわゆるディスコでダンス系音楽が流行りだし、それが90年代にR&Bブームに移行したりしたのですが
60年代70年代のバカラックの曲などは能力ある歌手のために作詞と作曲・歌が分業で、音楽ファンにとって聞いて楽しむ
音楽を提供していたはずなんですが、その後はカラオケで素人が歌ってマネできたり、アマチュアバンドがコピーしたりすることを
意識して音楽が作られるようになり、だんだんレベルの低いものばかりになっていったんです.これはアメリカでも似たような状況
だったはずです. Smooth Jazz ミュージシャンはそれがいやだったので、自分で好きな音楽をやりだして、90年代後半には、
それらが逆に他のジャンルより売り上げが伸びることになってしまったのですね.

そういう意味で、今の日本には洗練された音楽を作れる作曲家がほとんどいなくなってしまった.反面、私たちと同じ世代を
親に持つ子供の層が今出てきてるんですが、昔と違って、親がミュージシャンで70年代にアメリカのポップスで育って英語も
アメリカのネイティブな発音が問題なくできるような日本人も出てきています.そういう人たちは、欧米でも十分音楽活動
できるんですよ. ですから、これからは日米のコラボレーションで音楽制作がどんどん進んでいく時代に入っていくのでしょう.
今回の、"Playin' Favorites" はPeterの今後のそういった可能性を示している作品と思います

Peter:
ええ.いつでも話、持ってきて下さい.

Yoshi:
今日は、どうもありがとう.

左からピーターの娘のCharlotte( 5歳 )、ピーター、
Lori Andrews(ジャズハープ奏者)ご主人でベース奏者の Bart、Yoshi(酒井さん)
Lori Andrews については酒井さんのサイトまで
AquarianWave.com